【インタビュー】
“子どもの居場所“の情報を届ける

【取り組み】
時期:
2023年度 6月23日、9月1日、11月10日、1月19日、3月22日
2024年度 5月30日、8月22日、11月28日、2月13日
2025年度 6月27日、9月26日、12月、2月予定
場所:もりのみやキューズモールBASE
【パートナー(主催者)】
NPO法人フォロ
2001年秋、趣旨に賛同する保護者たちが市民に呼びかけ、10数人の発起人で団体を設立。当初はフリースクール事業のみからスタートし、どんな立場の子ども・若者でも、比較や評価をされない「居場所」を24年間開いてきました。支え合いと関係づくり、学び・体験活動の創出、そして、他の社会資源との連携、当事者発信の啓発活動に取り組んでいます。

【趣旨】
地域で活動されている団体や近隣企業と協働し、もりのみやキューズモールBASEに足を運ばれる親子連れの方々に、大阪市中央区と東成区の子ども食堂や学習支援活動などをおこなっている“子どもの居場所“の情報を届けることを目的に、子どもが楽しめるイベントを開催しています。年4回ほど、フードコートに子どもが集まって遊べる場所をつくっています。いうなれば、フードコート内で居場所活動を実施しています。
【パートナー(主催者)の取り組みへの想い】
いま、取り立てて困っていることがなかったとしても、ちょっと立ち寄れて、ちょっとおしゃべりできる、そんな場所があれば、心がほっと一息つくのではないでしょうか。もし、状況が変わって助けが必要になったとき、そんな場所が何か役に立つかもしれません。子育て中の保護者の方に、近くにそんな場所があることを知っていただきたくて、もりのみやキューズモールBASEさんやQ’s kitchenのテナントの方々にご協力いただいています。
当フリースクールに通っている子どもにとっても、ボランティアスタッフとして参加することで、社会経験のひとつとなっています。また、地域の団体さんにとっても取り組みを通して交流が生まれており、地域コミュニティづくりの一環となっています。
※平均して1回の実施につき約100名の親子が遊びに来てくれます。

【実情】
・子ども食堂の増加と地域的な課題
2024年度の全国のこども食堂は、2023年度より1,735箇所増えて10,000箇所を超え、「10,867箇所」に達したことがわかりました。その数は、公立の中学校・義務教育学校を合わせた9,263校を上回るまでになっています。(※1)このような増加にともない、大阪市中央区や東成区でも子ども食堂等、子どもの居場所活動のネットワークが発足しています。2019年に大阪市中央区子どもの居場所連絡会が発足、2022年には大阪市東成区子どもの居場所のネットワーク「ひなどりの会」が発足しました。中央区の北側エリアは低所得層が住まう地域ではありませんが、だからこそ困りごとを抱えていたとしても知られにくいという地域課題があります。
・フリースクールに通っている児童生徒の少なさ
不登校児童生徒のうち、フリースクール等の民間の施設を利用したことがあるのは約11%です。(※2)経済的な負担に加えて、子育てのステージのなかでも学童期は、乳幼児期と違い、社会資源が学校に集約されがちなため、不登校になるとどのように情報を求めて、どこに相談したらよいか分からないという声が保護者からも聞かれています。子どもが不登校ではなくても、あらかじめ情報を知ってもらうことの重要性を感じています。
以上2点から、いま情報を求めている人や困っている人に取り立てて向けるのではなく、困っている人もそうでない人にも同じように情報を届けることが必要なのではないかと考えています。
(※1)2024年度「こども食堂 全国箇所数調査」/認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京都渋谷区、理事長:湯浅誠)
(※2)令和2年度「不登校児童生徒の実態調査」/文部科学省

【参加者の反応】
・今は不登校でなくても、もし子どもが学校に行きたくないと言ったときに、近くに問い合わせ先があることを知って安心しました。
・不登校の子供と平日に出かける場所があり、それがショッピングモールであることが非常にありがたいです。
・企業からボランティア参加しましたが、楽しく参加できました。
など
【当社ギャザリング担当から】
「もりのみやって」という森ノ宮界隈で活動する方々が集うコミュニティで、NPO法人フォロ様と出会いました。その時にお聞きした、子ども食堂や不登校児童生徒向けのフリースクールといった“子どもの居場所”のインフラの認知度と利用率の低さに大変驚いたことをよく覚えています。当初はNPO法人フォロ様と「子供食堂」という形で取り組みをもりのみやキューズモールBASEのフードコートでスタートしました。しかし、ショッピングモールというたくさんの方が来られる場において、食事を無償提供する仕組みである「子供食堂」という言葉が逆に気軽に来れないことがわかりました。そんなこともあり、今の「キッズブースDAY」として、みんなで遊んで、子供に関する街の情報を親御さんに届ける「場」へ変化していきました。参加者の声にもありますが、今情報を求めている人や困っている人に伝えいくことも重要ですが、そうでない人にも同じように情報を届け、その情報を伝搬させることの大切さを感じ、もりのみやキューズモールBASEとしても街の中での役割として取り組んでいく必要があると考えています。